今までのウイルス
コンピュータウイルスは、パソコンに感染してデータの破壊・スパイ行為を行うものと昔から思われていました。データを盗み出したり、パソコンを破壊することで利益を得る者がいたからです。
マイニングマルウェアが狙う仮想通貨
今、狙われているのは仮想通貨です。その価値が日々増す中、他人のパソコンでマイニングを行い、対価をタダで手に入れようと考えている者がいるのです。
通常は、マイニングで手に入れることができる仮想通貨は、わずかです。電気代や時間を考えると、わざわざマイニングを行おうとする人は、あまりいません。
しかし、ウイルスに感染させた大量のパソコンを利用して、電気代もかけずに短時間にマイニングを行うことで、大金を手に入れることができると言うのです。
法的にも認められない、承諾のないマイニング行為
少し前に、サイトを閲覧した人のパソコンを利用してマイニングを行い、仮想通貨を手に入れていた管理者が問題になりました。了承も得ずに、勝手に人のパソコンの処理速度に影響を与え、処理能力を下げる行為が司法的にも悪意があるとされたのです。
サイトを閲覧している時だけなら、パソコンへの影響は少ないと言えます。しかし、今、問題になっているのは、ソフトウェアとしてのマイニング行為です。
本来の目的である、「他人のパソコンでマイニングする」ことを隠し、いかにも便利なフリーソフトを装って配布されるのです。
マイニングマルウェアの意外な侵入経路と動作
ダウンロードした時には、そのような機能が備わっていなくても、アップデートによって付加される場合もあります。持ち主に、なるべくばれないように、操作していない時にマイニングを行うものも存在します。
使っていない時だったら、被害がないのでは?と、思うかもしれませんが、使用電力量が増える為、電気料金は上がってしまうのです。
本来であれば、マイニングで得られる金額よりも電気代の方が高くなる仮想通貨が多いので、日本ではマイニングしている人は少ないのです。しかし、マイニングマルウェアは、他人の電気代を使って利益を出しているため、電気料金を気にしなくても良いのです。
マイニングマルウェアの数が増えれば増えるほど、その製作者には膨大な金額の仮想通貨が入ってくるようになります。今までウイルスの作成をしていた悪意のある人間が、どれだけマイニングマルウェアに注目しているかが分かると思います。
マイニングマルウェアを防ぐには
一般の使用者がマイニングマルウェアを見抜くのは、とても難しいことです。防ぐ一番簡単な方法は、セキュリティソフトを入れておく事です。悪意のあるソフトウェアが判明すると、すぐに知らせてくれるからです。
パソコンの動作が著しく遅くなってしまったという方は、このマイニングマルウェアを一度、疑ってもよいかもしれません。