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古い取扱説明書のダウンロード時に起こること
先日、ある相談を受けました。それは以下のような内容です。
というもの。今回なぜ取扱説明書が必要なのかたずねたところ、「ラジオ局の登録設定をしたいが、分からない」ためでした。
実際に私も検索してみたところ、同じダウンロード画面が出てきました。この時点では、なんとも言えませんでしたが、メーカーの SONY が提供しているものではなかったので、メーカーサイトから STR-V535 の取扱説明書を検索しました。
しかし、該当の PDF データは提供されていませんでした。製造年月日を調べてみると2000年8月です。20年以上前のものであれば、修理サービスも終了しているはずですから、マニュアルなども閲覧できなくて当然です。
この機器は「ドルビーデジタル内蔵AVレシーバー」という名称です。同製品で近い型番で取扱説明書が見つかれば、情報として役に立つのではと考え、検索してみました。そうして調べていくうちに、ネットの怖さを体感できる結果となりました。
同製品で近い型番を検索した結果
調べた型番は、「STR-V737」と「STR-V626」です。
STR-V535 を検索しているときに、あるページにたどり着きました。「知恵袋」です。てっきり「YAHOO! JAPAN 知恵袋」だと思い込んでいました。そして STR-V737 を調べていても、同じページにたどり着いたのです。「あれ、さっきのページだ」と思ったのですが、型番のところだけはちゃんと STR-V737 になっているのです。
そして気づきました。本来だと「YAHOO! JAPAN」と書かれているところに「JAPAN」とだけ書かれています。そして画面内にある100個以上のリンクが全て同じダウンロードサイトへのリンクだったんです。
STR-V626 で検索をしてみると、また同じ偽装知恵袋サイトが表示されました。リンクをクリックすると、やはり同じ登録画面が表示されます。
また、表示されているサイトのアドレスとリンク先のアドレスが違うため、手入力でサイトにアクセスをしてみました。
そうすると、ウィルスバスターの「サイトブロック機能」が働き、読み込みが止まりました。サイトに悪意のあるコードが埋め込まれていると判断されたのです。
【まとめ】古い機器の取扱説明書の入手で注意すべきこと
製造から15年以上が経過した古い機器については、どのメーカーの製品でも取扱説明書の入手が困難になっています。その状況を知った悪意のある人間が、ネット上に偽装サイトを作成し、不正な行為を行っているようです。
メールアドレスを入力してしまうと、ウイルスを送り付けられたり、フィッシング詐欺の標的となる恐れがあります。また、ダウンロードできたとしても、ウイルス感染や攻撃のリスクがあります。メールアドレスの入力はやめた方がよいでしょう。
安全な「古い機器の取扱説明書の入手方法」とメーカーの回答
現在、最も確実な入手方法は、「取扱説明書付きの機器をヤフオク・メルカリで落札・購入」です。
念のため、SONY へ直接問い合わせを行い取扱説明書の入手ができないか相談をしました。以下がその回答です。
「サイトからダウンロードできない古い製品の取扱説明書は、直接の提供は行っていません。また、今後ダウンロードできるようになる予定もありません。」
とのこです。よく同じような問い合わせがあるようで、受け答えは完璧なものでした。