ある知人が訪ねてきたとこが話がはじまります。仕事でノートパソコンが必要になったので、調整したパソコンを引き渡しする時のことです。データを移すためにUSBフラッシュメモリを取り出しました。
作業は問題なく終わったのですが、知人がある言葉をボソッといったのです。
「このUSBメモリ、なーんか調子悪いんだよね」
普通の人なら「へぇ、そうなんですか」で終わってしまう会話です。しかし、私は昔の経験から食らいつきました。
「容量はいくつですか?」不具合の内容を聞くよりも先に容量を聞きました。それには、ある理由があるからです。
「1TB (1テラバイト) ですよ」この返答に間違いないと確信しました。次の質問は、「おいくらでしたか?」
「千数百円くらいかな」確信に太鼓判が押された瞬間です。2020年現在で1TBで5000円以下で購入できるUSBフラッシュメモリのほとんどが当てはまります。
5000円以下で購入できるUSBフラッシュメモリの真相
完結に申しますと、「偽装品」「ニセモノ」「悪意のある商品」です。数年前にも同じような事案がありました。ヤフオクなどで1TBのUSBフラシュメモリが3000円程度で販売されたのです。
私は真相を確かめるべく、騙されることを覚悟で落札をしました。そして分解してみたのです。購入してパソコンに刺すと、確かに1TBと認識されます。データを少し入れてみると、ちゃんと保存もできました。
一見は特に変わった点は無かったのです。しかし分解してみると、真実を簡単に見抜くことができました。基盤に付いているメモリには2GBの文字がありました。1つしかついていなかったので、実際の容量は2GBしかありません。当時2GBのフラッシュメモリは数百円でしたから、それを3000円で買わされたことになります。
偽装USBフラッシュメモリの挙動
真相は暴くことができましたが、2GBを超えた場合、どのような挙動をするのか興味がわきました。そこで少しづつデータを入れながら確かめることにしました。2GB近くまでは普通に保存をしているのですが、残り容量が少なくなってくると開けなくなるデータが出始めました。
保存ファイル名としては残っているのですが、ダブルクリックをして開こうとするとエラー表示になって開けないのです。最初から大きなデータを入れればすぐに気づく症状ですが、小さいデータを入れて使っている場合は、なかなか気づけないと思います。
その騙された知人に購入したストアを聞いたところ、アマゾンのようでした。アマゾンにはマーケットプレイスという個人でも出品できるシステムがあります。ほとんどの出品者は優良なのですが、詐欺商品を売り逃げしている出品者もいるのです。
アマゾンで購入した場合は、補償が手厚いので返品を申請することができます。問題は気づくのが遅れてしまったり、気づかない人が多くいるという現状です。気づいた人が評価にすぐ書きこんでも、出品者側が評価を偽装して分かりにくくしているのを確認しました。
値段も安く、評価も良い状態なので、毎日どこかでこの偽装USBメモリを購入している人がいるというわけです。もし、偽装USBフラッシュメモリが疑われる場合は、大事なデータのバックアップをすぐにとり、大容量のデータを入れて検証するのが良いです。
アマゾンでは3か月以内であれば、スムーズに返品申請ができます。3か月を過ぎていた場合でも返品が認められるケースがありますので諦めずに申請してみることをお勧めします。