パソコンのセキュリティ対策をするのは昔に比べ、当たり前のようになってきています。スパイウェアはコンピューターウイルスよりもパソコンに入り込んでいる可能性が高いと言えます。
その理由には、ウイルスはパソコンに不具合を起こしたり、データを書き換えたり目に見えて変化が生じることが大半です。しかしスパイウェアにおいては、その名前のとおり利用者に見つからないように活動するように作られているからです。
スパイウェア駆除に関しても昨今の不正アクセス被害などにより、関心が高まっていると言えます。
スパイウェアは多くの場合、フリーソフトと言われる無料で使う事ができるソフトを利用して侵入します。フリーソフト自体にはスパイウェアが仕込まれていなくても、後々入り込ませる為の裏口を作るものがあります。
そういった事が原因で侵入したスパイウェアは、利用者にも原因を突き止めにくいと言えます。
いったん入り込んだスパイウェアを完全に駆除するのは難しいと言えます。セキュリティソフトを導入して駆除することを考えがちですが、それは望み薄です。なぜなら、駆除できないからです。
駆除することが難しいのではなく、白か黒かはっきりと分からないものを勝手に削除できないからです。スパイウェアと呼ばれるものには、悪意があるものと、利用者が分かって入れているものがあります。
勝手に利用者の位置情報を送っていたとしても、インストール時に「位置情報を送ることに同意する」という一文を読んで納得して使っている人がいることもあります。位置情報を外部へ送ることは、本来スパイ行為にも該当します。しかし便利な機能を使いたいがために、許す方も多いのです。
そういった第三者からみて、明らかにスパイウェアに該当するソフトでも、勝手に削除されると困る人もいるのです。セキュリティソフトを作っているメーカーも、そのことを理解しているからこそスパイウェアに関しては駆除しない仕様になっていることが多いのです。明らかに悪意しかないスパイウェアのみ、駆除するようになっているのです。
こういった理由から、ウイルス対策ソフトにスパイウェア駆除の性能を大きく求めるのは間違いと言えます。もしスパイウェアを確実に駆除したいと思うのであればスパイウェア駆除用のソフトウェアを探すしかありません。
しかしながら、近年ではスパイウェアに特化したソフト自体があまりみつかりません。それは、私の経験を申し上げるのは大変心苦しいのですが、ウイルスと違い、スパイウェアはいかに見つからないようにするか。いかにスパイと見つからないようにするか。日々進化している状況です。そういった中で完全に駆除するのは、とても難しいことなのです。
もし駆除に頭を悩ませている状況でしたら、パソコンをリカバリ(工場出荷時の状態へ戻す)ことを考えられた方が建設的です。スパイウェアの駆除にかかる労力はリカバリの数倍以上です。
また、前にも申し上げましたとおり、スパイウェアを持ってくる本体を削除しないかぎり、何度でも入ってくるからです。また、安易にフリーソフトや出所の分からないソフトはなるべくインストールしないことがスパイウェア防止の一番の心構えと言えます。
